2008年2月12日 (火)

『心を生みだす脳のシステム』(茂木健一郎)

『心を生みだす脳のシステム「私」というミステリー』(茂木健一郎)

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カバー折り返し

[千億のニューロンが「私」を作る]
なぜ、脳という物質に心が宿るのか?
視覚や感情の脳内メカニズムはどのようになっているのか?
身体感覚や時間意識、他者に共通する能力など、
心の複雑で豊かな営みは、脳内でどのようにして生まれるのか?
千億のニューロン(神経細胞)がたがいに関係性をもつことから生じる、
脳のシステムとしての性質に、
これらの謎を解き明かす、最大の鍵がある。
脳科学の俊英が、システム論的アプローチという最新の知見をふまえ、
自己意識をめぐる深遠な問題に挑む、スリリングな一冊!

カバー写真●©PEDRO LOBBO/amana imafes

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もくじ

まえがき  9

Ⅰ 脳内現象としての「私」  17

 第一章 脳の中に鏡があった  18
  ──システム論の衝撃

  ニューロンの仕組み 「私」という存在のパラドックス──ケンブリッジの体験から
  脳の機能局在の傾向 視覚野の機能 意識を生みだす脳というシステム
  ミラーニューロンの発見 なぜ、衝撃的だったのか 脳科学のシステム論的転回
  情報処理の「ハブ」としてのミラーニューロン

 第二章 「私」とはクオリアの塊である  39
  ──感覚的クオリアと志向的クオリア

  クオリアとは何か 科学的世界観に開いた穴 「私」という視点の問題
  ホムンクルスと無限後退 感覚的クオリアと志向的クオリア
  ふたつのクオリアの違い
  世界認識の構造 ふたつのクオリアを支える脳内機構 ブラインドサイド
  善光寺の戒壇巡り 志向的クオリアと志向性の関係 「表象」の二つの意味
  「私」の核心は象徴的である

 第三章 ことばの意味が立ち上がるとき  71
  ──志向性と言語

  マガーク効果とフラッシュ効果 異なる感覚のモダリティを統合する志向的プロセス
  言葉の意味と志向的クオリア 言葉の意味はいかにして成立するか
  ジョン・レノンの顔が認識されるまで 言葉の超越性 志向性の連携が失われる時
  ミラーニューロンと言語活動の関係

Ⅱ 世界を把握する方法  95

 第四章 身体感覚のダイナミズム  96
  ──ホディ・イメージの仕組み
  見るためには「道徳」が必要? 空間認識を支える志向性のネットワーク
  逆さまの世界 両眼視野闘争 ボディ・シェーマとボディ・イメージ
  道具に延長するボディ・シェーマ 幻肢(phantom limb)
  歴史上初めての「手術」
  アクティヴ・タッチ 自己と外界の境界

 第五章 アフォーダンスとは何か  124
  ──脳と環境との相互作用
  「石を投げないでください」 アフォーダンスの考え方
  意図せざるアフォーダンス
  視覚の二つの経路 行為の可能性を表すニューロン 環境的知性
  衝突までの時間
  ボディ・シェーマとアフォーダンスの関係 環境認識と身体性

Ⅲ 「私」という視点が生まれるとき  145

 第六章 鏡の中の「私」  146
  ──自己意識の謎を追う

  私の心と他人の心 鏡のテスト ゴリラは自己意識を持つか
  鏡のテストは、何をテストしているのか
  鏡を見るとき、こころの中では何が起きるのか
  心の理論 チンパンジーは人の心を読みとれるか
  チンパンジーの自己意識を否定する根拠 自己意識と他人の心

 第七章 なぜ、他人の心が読みとれるのか  170
  ──共感する能力・表象化する能力

  『東京物語』を見る 「誤信念課題」の実験 「誤信念課題」と自閉症
  「心の理論」と表象化の能力 驚異のサヴァン能力
  「写真課題」が要求する能力
  「心の理論」と共感する能力 自閉症を引き起こす脳内メカニズム
  なぜ、サヴァン能力が生じるのか 「心の理論」前夜
  自分と他人の心を結ぶミラーニューロン
  他人の心を「テコ」にして発達する自分の心
  脳のシステムのバランスが生む「心の理論」

Ⅳ 主観と客観はどう統合されるのか  205

 第八章 「私」の背後に隠されたもの  206
  ──感情と情動

  身近な人はエイリアン? カプグラ妄想 相貌失認
  カプグラ妄想を引き起こす脳障害
  「情動」の持つ普遍的な意義 「赤」を見た時に貼りつけられる感情
  オノマトペ
  世界中が輝いて見える理由 情動による情報処理
  前頭野連合野における情動情報の処理
  客観的に見た情動の役割 アリの迷路学習 感情における主観と客観

 第九章 脳の中の時間、心の中の時間  231
  ──リアリティが生じる理由

  ペンフィールドの驚異的な実験 リアリティを支える神経機構
  マッハの原理
  意識の中の時間 未来を予知する脳? 絶対的な心理的時間
  物理的時間の流れが、心理的瞬間につぶれる 表象の取捨選択
  感覚的同時性と志向的同時性
  リアリティを生み出す脳というシステムと心理的時間

 終章 新たなるシステム論へ向けて 255

  心に対する感覚の進化 脳科学のパラダイム変化 心のハードプロブレム
  「錬心術」を越えて

  参考文献  267
  あとがき  275

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奥付

茂木健一郎──もぎ・けんいちろう

●1962年うまれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー。東京工業大学大学院客員教授。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学理学系大学院物理学専攻過程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専攻は脳科学、生物物理学。
●主な著書に、『脳とクオリア』(日経サイエンス社)、『生きて死ぬ私』(徳間書店)、『心が脳を感じる時』(講談社)など。

NHKブックス[931]
心を生みだす脳のシステム 「私」というミステリー
2001年12月20日 第1刷発行

著者 茂木健一郎
発行者 松尾 武
発行所 日本放送出版会
ISBN4-14-001931-X C1311

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2007年7月30日 (月)

『神を待ちのぞむ』(シモーヌ・ヴェイユ/勁草書房)

『神を待ちのぞむ』(シモーヌ・ヴェイユ 田辺保・杉山毅訳/勁草書房)

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目次


刊行者のノート……3

手紙(一) 洗礼を前にしてのためらい……9

手紙(二) (同じ主題)……19

手紙(三) 出発について……27

手紙(四) 別れの手紙《精神的自叙伝》……31

手紙(五) ……62

手紙(六) 最後の思想……67

神への愛のために学業を善用することについての省察……85

神への愛と不幸……101

神への暗黙的な愛の種々相……128
 隣人愛130/世界の秩序への愛156/宗教的な勤めへの愛187
 /友愛212/暗黙の愛と明白な愛223

「主の祈り」について……232

ノアの三人の息子と地中海文明の歴史……248

補遺……262

注……266

訳者あとがき……田辺保277

装幀/谷正克(デザインG・P)

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愛と宗教へのたえざる志向の努力--
深い直観と厳しい内省に貫かれた求道
の姿は現代人の意識に衝撃を与える。

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カバー折り返し

装幀デザイン:アド工房

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奥付

訳者紹介

田辺保
1930年 生まれ
1959年 京大大学院博士課程修了、フランス文学専攻
現在 岡山大学・大阪市立大学名誉教授
著書 『シモーヌ・ヴェイユ』(講談社)
   『パスカルの世界像』(勁草書房)
   『純粋さのきわみの死』(北洋社)他
訳書 パスカル『パンセ』(新教出版社、角川書店)
   S・ヴェイユ『ロンドン論集とさいごの手紙』(勁草書房)
   ペラン、ティボン『回想のシモーヌ・ヴェイユ』(朝日出版社)
   S・ヴェイユ『超自然的認識』(勁草書房)他

杉山毅
1931年 生まれ
1957年 京大大学院修士課程修了、フランス文学専攻
現在 広島大学名誉教授
著書 『緑の中の廃虚』(渓水社)
    S・ヴェイユ『ロンドン論集とさいごの手紙』(共訳、勁草書房)
   サン=テグジュベリ著作集5『手帖』(みすず書房)
   ガブリエル・リュシェ『愛と死の手紙』(二見書房)他

神を待ちのぞむ
1967年10月15日 第1版第1刷発行
1987年 6月20日 新装版第1刷発行
2005年10月20日  新装版第6刷発行

著者 S・ヴェイユ 
訳者 田辺保/杉山毅 たなべたもつ すぎ゛やまつよし
発行者 井村寿人
発行所 株式会社勁草書房
ISBN 4-326-15064-5

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2007年7月12日 (木)

『意識と本質』(井筒俊彦/岩波書店)

『意識と本質 精神的東洋を索めて』(井筒俊彦/岩波書店)

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目次

意識と本質--東洋哲学の共時的構造化のために……1

本質直観--イスラーム哲学断章……331

禅における言語的意味の問題……367

対話と非対話--禅問答についての一考察……391

後記

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カバー折り返し

井筒俊彦略歴

1914年東京に生まれる。
1937年慶応義塾大学文学部卒業。
1968年まで慶応義塾大学文学部教授。
以後、マッギル大学(カナダ)教授、イラン王立哲学アカデミー教授を経て、現在は慶応義塾大学名誉教授、Institut International de Philosophie 会員。
著書に、『イスラーム思想史』『イスラーム生誕』『イスラーム哲学の原像』『イスラーム文化』『神秘哲学』『ロシヤ的人間』など。訳書に、『コーラン』『存在認識の道』『ルーミー語録』。
また欧文著作は、Language and Magic ;
Sufism and Taoism--The Comparative Study of the Key Philosohical Concepts ;
Toward a Philosopy of Zen Buddhism

など多数あり。

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奥付

意識と本質
一九八三年一月二十一日 第一刷発行
定価二八〇〇円
著者 井筒俊彦 いづつとしひこ
発行者 緑川亨
発行所 株式会社岩波書店
印刷・精興社 製本・牧製本

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2007年5月28日 (月)

『17歳のための世界と日本の見方』(松岡正剛/春秋社)

『17歳のための世界と日本の見方 セイゴオ先生の人間文化講義』(松岡正剛/春秋社)

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もくじ

第一講 人間と文化の大事な関係……3

「関係」は変化しやすい◎「編集」とは何か
「情報」を区切る◎聞こえない風鈴--文化感覚距離
ノックの文化、匂いの文化◎文化と差別◎七メートルの境界線
文化の柔らかいセンサー◎感覚のコミュニケーション◎生命は情報である
サルが立ったらヒトになる◎ヒアとゼアの世界
ネオテニーと成長◎発情期を失った人間
三つの脳の矛盾が文化を生んだ◎母型のちがいと文化のちがい

第二講 物語のしくみ・宗教のしくみ……61

物語と言語◎語り部の記憶◎物語の母型
英雄伝説の三段構造◎『スター・ウオーズ』大成功の秘密
宗教編集者の誕生◎ツァラトゥストラは、かく語った◎モーセと契約
ユダヤ教の光と闇◎アーリア人の大移動--東洋的宗教の誕生
カルマとジャイナ教◎ブッダの生涯◎ブッダの悟りと「縁起」
中国仏教の特徴◎「礼」と「仁」--儒教の考えかた
「無」に遊んだ老荘思想◎一神教と多神教◎「理性」と都市の文化
ヘレニズム文化による世界拡張

第三講 キリスト教の神の謎……135

生と死の問題◎イエス・キリストとは何か……謎・その1
ユダヤ教の歴史(復習です)◎死海文書は誰が作ったか……謎・その2
キリスト教を編集したパウロ◎それでは「神」とは何か……謎・その3
神学の編集作業……謎・その4◎アウグスティヌスの告白……謎・その5
「情報」をつなぐ修道院……謎・その6◎「受苦」と聖性……謎・その7
もう一つの流れ--イスラム教◎「悪」もキリスト教の産物……謎・その8
魔女というコントロール……謎・その9

第四講 日本について考えてみよう……199

日本らしさとは何か--「コード」と「モード」
日本の神話に戻ってみる◎イザナギとイザナミに始まる
日本神話からわかること◎国の歴史を編集する--神話と言語
カミとホトケの戦い◎とこの漢字、おんなの仮名文字
日本的感覚の編集--もののあはれ◎極楽への道すじ
旅する西行◎ 遊行のネットワーク◎「あはれ」から「あっぱれ」へ
親鸞の教えに学ぶ◎女人結界と悪人正機説◎連歌の影響力
禅の感覚と「引き算」の魅力◎夢幻と現実の境目で--幽玄の能

第五講 ヨーロッパと日本をつなげる……281

「異教の知」--ルネサンスの幕開け◎神秘のヘルメス思想
中世の夜明け◎「ゆがみ」と「ねじれ」の宇宙--バロック文化
二つの宇宙をもつ社会◎人間は“マクロとミクロ”を考える葦
サロン文化と〈負〉の方法◎禅宗から法華へ◎ルネサンスの利休
バロックの織部◎毎日が“ハレ”--悪場所の誕生
世界が町の中でも見えてくる◎文化とは“タラコスパゲッティ”

おわりに……357

イラストレーション 松岡正剛
扉写真 中道淳

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足し算の“文明”。引き算の“文化”。

「世界と日本の見方」卒業試験実施中!
設問に答えていただくともれなく、
単位修得証書(シリアルナンバー入り)をプレゼント。
さらに優秀賞としてセイゴオ先生のコメントと、
副賞をさしあげます(期間限定)。
2月上旬より弊社WEBにて試験開始!
くわしくはhttp://www.shunjusha.co.jpまで。

……なぜか日本人は仏教のことも、着物のことも、三味線のことも知らなくなってしまったのです。伊勢神宮や床の間や、連歌や国学や日本の数学者のこともあまりよくわかってはいません。それだけではなく、日米安保条約が何を足枷にどのくらい続くのか、中国がどんな現代史の中にいるのか、世界中のマグロがどういうふうにつながっているのか、そういうこともよくわからない。いったいこういうなかで、私たちは何を感じたり、考えたりすればいいのか……[本文より]

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奥付

松岡正剛(まつおか せいごう)
1944年、京都生まれ。早稲田大学出身。東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授をへて、編集工学研究所所長、ISIS編集学校校長。情報文化と情報技術をつなぐ研究開発に多数携わる。日本文化研究の第一人者でもある。おもな著書に『日本流』『日本数寄』『知の編集工学』『遊学』『花鳥風月の科学』『フラジャイル』『空海の夢』『山水思想』『松岡正剛千夜千冊』(全七巻+特別巻)『日本という方法』ほか多数。
「松岡正剛の千夜千冊・遊蕩篇」更新中(http://www.isis.ne.jp/isis/)。

17歳のための
世界と日本の見方
セイゴオ先生の人間文化講義

2006年12月25日 第一刷発行

著者……松岡正剛
発行者……神田 明
発行所……株式会社 春秋社
装丁……美柑和俊
印刷所……萩原印刷株式会社

ISBN 4-393-33265-2

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2007年5月 1日 (火)

『重力と恩寵』(シモーヌ・ヴェイユ/ちくま学芸文庫)

『重力と恩寵』(シモーヌ・ヴェイユ/ちくま学芸文庫)

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目次

重力と恩寵……9
真空と補償作用……15
真空を受け入れること……24
執着から離れること……27
充たすものとしての想像力……35
時間を捨て去ること……39
対象なしに望むこと……43
〈われ〉……49
脱創造……59
消え去ること……72
必然と服従……77
幻想……90
偶像礼拝……104
愛……106
悪……117
不幸……135
暴力……144
十字架……147
秤と梃子……156
不可能なもの……160
矛盾……166
必然なものと善とのへだたり……175
偶然……179
愛すべきものは不在である……182
清めるものとしての無神論……189
注意と意思……192
訓練……203
知性と恩寵……210
読み……218
ギュゲスの指環……223
宇宙の意味……227
中間的なもの……236
美……241
代数……249
社会的烙印を…… ……253
大怪獣……259
イスラエル……270
社会の調和……278
労働の神秘……290

解題 ギュスターブ・ティボン……297
訳者あとがき……353
ちくま学芸文庫版訳者あとがき……367
年譜……371
参考文献……379

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裏表紙

「重力」に似たものから、どうして免れればよいのか? --ただ「恩寵」によって、である。「恩寵は満たすものである。だが、恩寵をむかえ入れる真空のあるところにしかはいって行けない」「そのまえに、すべてをもぎ取られることが必要である。何かしら絶望的なことが生じなければならない」。真空状態にまで、すべてをはぎ取られて神を待つ。苛烈な自己無化への意思に貫かれた独自の思索と自らに妥協をゆるさぬ実践行為で知られる著者が、1940年から42年、大戦下に流浪の地マルセイユで書きとめた断想集。死後、ノート(カイエ)の形で残されていた思索群を、G・ティボンが編集して世に問い、大反響を巻き起こしたヴェイユの処女作品集。

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カバー折り返し

シモーヌ・ヴェイユ
(Simone Weil)

1909-43年。フランスの実存的思想家。ユダヤ系医師の家庭に生まれる。高等師範学校卒業後、高等中学校の哲学教師となる。1934年から1年間アルトストム、ルノー等の工場で労働、スペイン内戦では人民戦線側について戦う。38年、ソレム修道院で「キリストの受難」の思想を学びとる。40年のパリ陥落後、マルセイユでペラン神父、ティボンと親交。42年、アメリカに亡命したが、自由フランス政府で働くべくロンドンに渡り、客死。著書に『神を待ちのぞむ』『根をもつこと』などがある。

田辺保(たなべ・たもつ)
1930年生まれ。現在、神戸海星女子学院大学教授。専攻、フランス文学。

カバーデザイン 渡辺千尋

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奥付

重力と恩寵
一九九五年十二月七日第一刷発行
一九九七年五月二十日第三刷発行

著者 シモーヌ・ヴェイユ
訳者 田辺保(たなべ・たもつ)
発行者 柏原成光
発行所 株式会社筑摩書房
ISBN 4-480-08242-5 C0110

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2006年6月30日 (金)

『MiND 心の哲学』(ジョン・R・サール/朝日出版)

『MiND 心の哲学』(ジョン・R・サール/朝日出版)

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もくじ

謝辞
はじめに この本を書いたわけ

第一章 心の哲学が抱える十二の問題……23
 I デカルトが残した災い……28
   1心身問題 2他人の心 3外部世界への懐疑 4知覚
   5自由意思 6自己と人格の同一性 7動物の心 8睡眠

 II さらに四つの問題……46
   9志向性 10心的因果と随伴現象説 11無意識
   12心理現象と社会現象の説明

 III デカルトの回答……52
   1心身問題 2他人の心 3外部世界への懐疑 4知覚
   5自由意思 6自己と人格の同一性 7動物の心 8睡眠

第二章 唯物論への転回……63
 I 二元論の困難……64

 II 唯物論への転回……72

 III 唯物論の歴史−−行動主義から強い人工知能まで……74
   行動主義 方法論的行動主義 論理的行動主義
   物理主義と同一説 同一説への反論 機能主義
   コンピュータ機能主義(=強い人工知能)

 IV 計算と心的過程……94
   アルゴリズム チューリング・マシン チャーチのテーゼ
   チューリング・テスト 記述のレベル 多重実現可能性 再帰的分解

 V その他の唯物論……104

第三章 唯物論への反論……113
 I 唯物論への八つ(と半分)の反論……115
   1クオリアの不在 2スペクトルの反転
   3トマス・ネーゲル−−コウモリであるとはどのようなことか
   4フランク・ジャクソン−−メアリーが知らなかったこと
   5ネッド・ブロック−−中国人民 6ソール・クリプキ−−固定指示子
   7ジョン・サール−−中国語の部屋 8ゾンビの想像可能性
   9志向性のアスペクト形態

 II 唯物論からの応答……130
   ネーゲルとジャクソンへの応答 クリプキの固定指示子論への応答
   サールの中国語の部屋への応答 ゾンビの想像可能性への応答 

 III 結論……140

第四章 意識I−−意識と心身問題……145
 I 四つの誤った仮説……146
   仮説1−−心的なものと物理的なものの区別 仮説2−−還元の概念
   仮説3−−因果と出来事 仮説4−−同一性の自明視

 II 心身問題の解決……150

 III 誤った仮説の克服……155
   仮説1−−心的なものと物理的なものの区別 仮説2−−還元
   仮説3−−因果と出来事 仮説4−−同一性

 IV 唯物論でも二元論でもなく……168

 V 唯物論と二元論の 反駁のまとめ……173

第五章 意識II−−意識の構造と神経生物学……177

 I 意識の性質……178
   1質的であること 2主観性 3統合性 4志向性 5気分
   6中枢と抹消の区別 7快/不快 8状況性 9能動的な意識と受動的な意識
   10ゲシュタルト構造 11自己の感覚

 II その他の哲学的アプローチ……192
   1ミステリアン 2付随説 3汎心論 4神経生物学

 III 神経生物学のアプローチ……199

 IV 意識、記憶、自己……206

 V 結論……207

第六章 志向性……209

  I 志向性はいかに可能か……213

 II 志向性の構造……218
   1命題的内容と心理様態 2適合の方向 3充足条件 4因果的な自己言及性
   5志向性のネットワークと前志向的能力のバックグラウンド

 III ふたつのインテンショナリティ−−志向性と内包性……228

 IV 思考内容の決定論−−外在主義をめぐる二つの論議……233
   第一の論議−−ヒラリー・パトナムと双子の地球
   第二の議論−−タイラー・バージと関節炎

 V 内在的な心的内容−−行為者と世界の関係……242

 VI 結論……249

第七章 心的因果……251

 I ヒュームによる因果の説明……252

 II 因果は経験できないのか……263

 III 物理的世界の因果的閉鎖性と心的因果……267

 IV 心的因果と行動の説明……272

第八章 自由意思……277

 I 自由意思はなぜ問題になるのか……278

 II 両立説……282

 III 心理学的決定論……287

 VI 神経生物学的決定論……290

 V テストケースを組み立てる……292
   仮説1−−決定論と機械的な脳 仮説2−−非決定論と量子論的な脳

 VI 結論……300

第九章 無意識と行動……301

 I 無意識の四タイプ……302

 II 結合原理……310

 III 行為の無意識的な理由……317

 IV 無意識の規則の従うこと……320

 V 結論……326

第十章……327

 I 感覚与件論の検討……329
   科学の論法 錯覚の論法

 II 感覚与件の帰結……337

 III 感覚与件論への反駁……340
   科学の論法 錯覚の論法

 IV 直接実在のための超越論的な議論……345

第十一章 自己……351

 I 自己にかんする三つの問題……353
   1人格の同一性の基準 2心理学的性質が帰属する主体
   3私を私にするもの

 II 人格の同一性に固有の問題……355

 III 人格の同一性の基準……359
   1身体の時間的空間的な連続性 2身体構造の相対的な時間的連続性
   3記憶 4人格の連続性

 IV 人格の同一性と記憶……364

 V 非ヒューム的な自己……367

 VI 結論……375

おわりに 哲学と科学的世界観……377

訳者あとがき……382
読書案内……viii
事項作品……iv
人名作品……ii

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□表紙

哲学的迷宮、その出口をさぐる。

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□裏表紙

哲学から心理学・生物学・脳科学に至るまで、多くの人の心をとらえて離さない最難問−−「心とは何か」への、第一人者による魅惑的なイントロダクション

良く知られている理論、しかも影響力のある理論が、そもそも全部誤っているという点で、心の哲学は、哲学の中でも類を見ないテーマである。本書の目的のひとつは、そうした誤った理論へ導かれてしまうやみがたい欲求から、真実を救い出すことにある。これまでにも他の著書、とくに『心の再発見』でこの課題に取り組んできた。だが、本書こそが、心の哲学というテーマ全体への包括的な入門書の試みである。−−「はじめに」より
 ●
明快でわかりやすく、説得力に満ちた魅力的な入門書がサールの手によって生まれた。本書でサールは「唯物論と二元論はともに誤っている」と主張する。これは従来の考え方に真っ向から反対するものだが、たいへん説得力をもっていると思う。中心的に論じられる「心」への深い洞察力に立って、本書は「心の哲学」という大問題を精力的に踏破する。−−ネッド・ブロック(ニューヨーク大学)

最終章は「哲学と科学的世界観」と題されている。わずか三ページのこの文章こそ、世界中のすべての高校と大学で必読文献のトップに掲げられるべきものだ。「心とは何か? 心は世界のなかでどんな場所を占めるのか?」、そんな関心をもつ読者には必読だろう。一般読者への配慮から、哲学的な専門用語(ジャーゴン)を最小限に抑えている点も好ましい。どこをとっても第一級の著作である。−−クリストフ・コッホ(カリフォルニア技術研究所)『サイエンス』誌

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□カバー折り返し

良く知られている理論、しかも影響力のある理論が、そもそも全部誤っているという点で、心の哲学は、哲学の中でも類を見ないテーマである。そう著者は喝破し、心についての包括的な理論と展望を精彩ある筆致で描きながら、良く知られた影響力ある理論の数々を誤りとして除去していく。世界的にもっとも高名な哲学者のひとりであるサールが、現代哲学の核心へと読書を導いてくれることがわかるはずだ。著者は心の哲学にまつわる12の問題−−「デカルトが残した大きな災い」−−に目を向けるところから議論を始める。そして、自由意思/心的因果の実際の働き/無意識の本性と機能/知覚の分析/自己の概念といったトピックにスポットライトを当て、くり返し論じる。心身問題に関する章は本書のハイライトの一つだが、著者によれば、およそ意識というものはどんな形式であれ(のどの乾きからマラルメの詩の翻訳で悩むことに至るまで)、ニューロンのふるまいによって引き起こされ、無数のニューロンから成る脳のシステムの中でリアルなものとなるのである。同時に、意識という概念に関する重要なポイントは、その主観的な一人称記述の特徴を理解することであり、このポイントは私たちが三人称の客観的な言葉で記述し直すと失われてしまう、そうサールは主張する。

ジョン・サールは本書で、快刀乱麻を断つ小気味よさと率直さをもって論を進める。その議論は権威ある哲学史上の見解を串刺しにし、意識と心の本質にまったく新しい洞察をもたらすだろう。

ジョン・R・サール
カリフォルニア大学バークレー校哲学科教授。『言語行為−−言語哲学への試論』(勁草書房)『表現と意味−−言語行為論研究』(未邦訳)『志向性−−心の哲学』(誠信書房)『心・脳・科学』(岩波書店)『心の再発見』(未邦訳)『意識の謎』(未邦訳)ほか著書多数。

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□奥付

MiND 心の哲学

2006年3月14日 初版第一刷発行

著者 ジョン・R・サール
訳者 山本貴光・吉川浩満
造本 中島寛子
編集担当 赤井茂樹・川西恵里(朝日出版社第2編集部)
発行者 原雅久
発行所 株式会社朝日出版社
印刷・製本 凸版印刷株式会社

ISBN 4-255-00325-4 C0095

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