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2007年12月12日 (水)

「ちゃぷちゃぷ」(根多加良)

  初登場作家シリーズの最後を飾るのが、ねたかんこと根多加良さんです。「根加多良」となまえを間違えて覚えているひとも多いと思いますが、逆さから読むと「ヨカッタネ」となる方が正解です。
  さて今回収録の作品はだいたいぼくが選んだのですが、松本楽志もいくつか心当たりがあるというので、ぼくは十作くらい選んだところで作品収集を一時ストップしておりました。マッチ箱にはだいたい10から12作品くらい載せられるので、最後の方はけっこう滑り込みの作品があるのです。で、今回の滑り込み作品が、がくしセレクトの「ちゃぷちゃぷ」。この作品はもともと500文字の心臓の自由題の第20回でぼくが選んだものだったので、もちろん採用に異論はありません。
  今回は「恋」の特集ということもあり、やや抑制の効いたレンアイ作品が多いのですが、そのなかでこの「ちゃぷちゃぷ」は少なくとも肉体的には直接のふれあいがあり、目を引くと思います。しかし本作の一見なまめかしい表現も、水との透明な戯れを通して、すべては流れゆく清らかさへと変換されていくようなのです。だからちっともいやらしくありません。それにしてもなんと大きな安らぎと悲しみをたたえた川でしょう。超短編としては長い部類に入る作品ですが、ことばひとつひとつが良く吟味されていて、けっして飽きることはありません。
  根多加さんを知っている人がこの作品を読めば、きっと彼のことを見直すと思います。またこの作品を読んではじめて根多加さんに会ったというひとは……どうかがっかりしないでね。というほど良い作品だということです。はい。

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