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2012年9月 2日 (日)

目立て屋(落語イベント参考作品)

    目立て屋  タカスギシンタロ

 お得意さんの家で仕事を終えると、おかみさんが「困っている家があるから行ってあげて」と言う。そいつはありがたいとさっそく出向いた。ところが話を聞くと、入れ歯の修理がしたいのだという。そいつは商売違いだと帰ろうとしたら、臼の目立て屋で良いのだと。何のことか分からず家へ入ると、亭主が畳の上に正座をしていた。この亭主、目、鼻、まではいたって普通なのだが、口が臼だった。
 さっそく入れ歯の修理を始めたよ。まずは上の臼を持ち上げて、床へどすん、てわけにはいかない。なにしろ頭がのってるからね。座布団を何枚か重ねてくり抜いたものへ、ひっくり返してそうっと置くんだ。そうしておいてたがねと金槌でカンカンカンと仕事を始めたよ。上の臼の次は下の臼だ。溝は普通の臼とは違って、挽いたものが真ん中の穴へ落ちる仕組みになっているね。穴っていうのはまあ、胃袋に通じる穴だよ。さすがはご亭主江戸っ子だ。溝に蕎麦の実が詰まってらあ。
 仕事を終えて帰ろうとすると、ご主人は戸口まで出てきて深々と頭を下げたよ。すると危ない、と思う間もなく頭が落っこちた。しかしさすがは女房、身を挺して旦那の頭を受け止めたね。出来た女房だって? よく言うだろ「亭主は達者で臼が良い」。(臼の目立て屋)


※落語のイベントということで、上記参考作品は小咄のようなものにしてみましたが、もちろん皆さんお送りいただく作品に落語っぽいサゲはなくてかまいません。普通の超短編でけっこうですので、ご投稿よろしくお願いいたします。

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