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2014年11月

2014年11月18日 (火)

【結果発表】ケーキの超短編

ケーキの超短編の選考結果を発表します。

まずは各ケーキの優秀作品から。

○○優秀作品○○

1.ショコラピスターシュ

1


『ワルツ』(葉原あきよ)……チョコレートを黒いドレスに見立てた作品。ちらりとのぞくピスタチオのペチコートがこのケーキのアダルトで官能的なイメージをうまくつかんでいます。


2.レアチーズケーキ

2

『天使β』(鏡馬)…… レアチーズケーキの白い聖性を天使的な世界に結びつけた作品。優しさと甘い死の予感に包まれていてうつくしい。

『月を食べる』 ぽっこり雛豆 ……レアチーズケーキを名月になぞらえ、しかも食べてしまうというスケールの大きさがすばらしい。現代と神話世界が違和感なくつながっていて見事。


3.フランボワーズ

3

『でたらめなロマンチスト』(空虹桜)…… これはフランボワーズをイメージした作品というよりも空虹作品をケーキ化したものがフランボワーズといった体。ずるいがあまずっぱい。


4.ミックスベリー&ラクテ

4

『ひとつの恋のおはなし』(藤森伏見)…… 何度も現れる赤いケーキのイメージが、かわいらしさと悲しい別れを小さく照らし出しています。悲しいハッピーエンドもあるんですね。


5.いちごのタルト

5

『ゲリラ豪雨の客』(笛地静恵)……ケーキを食べるビーバーのイメージがシュールかつかわいすぎる作品。ナルニア国が町田方面にあるとは!


6.いちじくのタルト

6

『定点観測』(はやみかつとし)……半分に切られたケーキの断面は双子のように対称的。主と客が分かたれるぎりぎりのところを描きつつも、ケーキらしい「真珠雲」というきれいなイメージが物語をやわらかくおいしくしています。


7.フルールグラン

7

『バタークリームの姫君』(五十嵐彪太)……フルールグランのファンタジー性をみごとに描いた作品。読んだらバタークリームのバラをそのまま口に入れたくなること間違いなし。

『カッティング・エッジ』(金剛千花)……投稿にはバタークリーム・ケーキのノスタルジアに注目した作品が多かったのですが、本作が一番成功しているように思えました。スケートリンクのパラの花のイメージがなんとも美しく、泣けます。

以上。
募集要項にもありましたとおり、優秀作品はフリーペーパー「コトリの宮殿」に掲載される予定です。


○○最優秀作品○○

各ケーキの優秀作品の中から選ばれた最優秀作品は……


『カッティング・エッジ』(金剛千花)

です。おめでとうございます。
『定点観測』(はやみかつとし)とも迷ったのですが、はやみかつとし氏は先日の「アイリッシュパブのほら話」でも鈴木暁世賞を受賞しており、そんなに良いことばかり重なって罰が当たってはいけないとの配慮から迷わず金剛千花さんの作品が大賞となりました。

なお、最優秀作品受賞者にはケーキを、優秀賞受賞の皆さんには郵送可能な焼き菓子をお送りする予定です。


○○そのほか気になった作品○○

1.ショコラピスターシュ

『マカロンさんは添え物です。』(水池亘)……ケーキの上に乗ったマカロンに焦点を当てた点がおもしろかったのですが、単体でもかなりの人気を誇っているマカロンをあくまで添え物としてあつかっている点にやや現実との乖離を感じてしまいました。

『闇色のマント』(松岡永子)……チョコレートの中に甘美な闇を感じさせる作品。優秀賞にしようか迷いました。

『時計の針は逆向きに回る』(たなかなつみ)……おお、たしかにちょっと時計っぼい。意外な視点が面白い作品です。

2.レアチーズケーキ

『約束の場所』(胡乱舎猫支店)……ケーキに込められたメッセージのイメージがきれいです。そもそもおいしいものには何か人の記憶をくすぐるところがありますよね。

5.いちごのタルト

『魅惑の山』(誠)……いちごのタルトを山に見立てた雄大さがすばらしい。しかも山とイチゴのイメージが分かちがたく融合していて、食らいついちゃうところがすごいです。

6.いちじくのタルト

『いちじくの空』(南風野さきは)……いちじくを禁断の果実としてとらえることで醸し出されるかすかなエロスが良いです。

『華が無かった彼女だけれど』(氷砂糖)……いちじくの「無花果」としての側面を捕らえた視点が面白い。表面的には地味でも内面的には充実しているという点はまさにいちじく的。

7.フルールグラン

『ケーキクラゲとエスカレーター』(柴田友美)……なんと「コトリの宮殿」で連載中の「群青コースター」のスピンオフ作品ではありませんか! これは別枠でコトリの宮殿に掲載させていただきたい。

『L. I. B. 』(穂坂コウジ)……タイトルはローリング・ストーンズの、ケーキのジャケットで有名な「Let It Bleed」から。個人的に幼児の頃から聴きまくっていたアルバムなので、ぐっときて優秀作品にしようか迷いました。ケーキの悪魔的な魅力を暴き出してグッド。

『平日の朝』(海音寺ジョー)……翻訳文学を読むような手ざわり。カール・サンドバーグに関しては何も知りませんでしたすみません。

『赦し』(佐多椋)……雪の「ようなもの」がまとう揺らぎが、一瞬存在するはかなさを描く繊細な作品。フルールグランへの投稿作は一番多かったのですが、どれも良い作品で選考に困りました。


以上です。
たくさんのご投稿ありがとうございました。

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