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2016年9月 6日 (火)

『罪と罰』(タカスギシンタロ)三題噺「キノコ」「楽器」「指ぬき」作例

     罪と罰   タカスギシンタロ

 雨蛙の野郎が犯した「罪」に関しては直接聞くが良いさ。酔っぱらいさえすれば、いくらでも話してくれるよ。ただしやつはザルだがね。俺が話してやれるのはやつの「罰」の方だ。そう、蝦蟇の女王に賜った特別の刑罰さ。

 真夜中のこと。やつはキノコの傘に縛りつけられていた。一雨のあとキノコはぐんぐん成長し、やつのからだを持ち上げていった。刑場に備えつけられたイガグリめがけてな。キノコはぐんぐん伸びていく。やつのからだは持ち上がる。ついにイガグリが突き刺さり、やつは悲鳴を上げた。それこそが蝦蟇の女王が聞きたかった最高の楽器の音色だったというわけさ。
 しばらくして、やつは死体置き場でむくりと起き上がった。そして口からゲッと指ぬきを吐き出したのさ。指ぬきのおかげで栗のイガもやつの体を貫くことはできなかったんだ。もっとも胃には少々穴が開いたがね。

 ほら、やつが来たよ。ほんとに一杯おごる気かい? じゃあ俺たちはやつの腹の下で口を開けて待ってるよ。何しろやつはザルだからな。

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