2011年5月23日 (月)

アニマ・ソラリスの著者インタビュー

  SFウェブマガジンの老舗Anima Solarisで、『超短編の世界vol.3』の著者インタビューを掲載していただきました。松本楽志・たなかなつみ・タカスギシンタロによる超短編トークの行方やいかに? インタビュー記事はこちら

2011年5月17日 (火)

超短編マッチ箱beco cafe 出張編

  超短編マッチ箱 beco cafe 出張編のイベントが行なわれました。おかげさまで満員御礼の盛況となりました。ご来場のみなさま、どうもありがとうございます。超短編作品をすれば入場料が100円引きとなるという、beco店主の粋な計らいにより、思ったよりたくさんの超短編作品も集まりました。
  第一部は松本楽志、タカスギシンタロにコメンテーターのリキさんを加えての超短編トーク。おおむね、資料となる冊子をもとに話を進めました。以下は当日配ったペーパーの目次です。

・なぜ500文字?……スマートフォンの最大表示文字数は、おおむね500文字!

・超短編は長いか短いか?……リキさん作成の資料をもとに、長さ別文学ジャンルの解説。『超短編の世界vol.3』収録の最短超短編は森山東さんの「くちづけ」(本文3文字)。最長は柴田友美さんの「PEN」でおおよそ840文字。

・一行超短編……まるで俳句や短歌のように一行の超短編もある。違いはタイトルがあること。

・500文字と800文字の違い……東雅夫さんの「伸縮怪談2008」を参考に、作品の文字数が超短編の内容に与える影響について。

・超短編でタイマンバトル……500文字の心臓で行なわれたトーナメントについて。タカスギシンタロvs松本楽志。

・だまし絵超短編……楽志作「カメラオブスキュラ」に隠された秘密の言葉。

・超短編の書き方……作品募集用の見本作品「両国駅にて」を例に、超短編完成までの思考をたどる。

・超短編関連書籍……推薦超短編本の紹介。ちなみに入所困難により冊子には掲載しませんでしたが、リキさんの推薦本を以下に追加しておきます。「物語集(歌集)」(石川美南)「動詞(詩集)」(高橋睦郎)「世界の構造(詩集)」(粕谷栄市)。

  第二部はお持ちいただいた超短編作品の中から優秀作品をセレクト。こんなことが出来るのも超短編ならではの文学あそびだと思います。以下は受賞作品。はからずもbeco cafe 店主の作品が大賞に……。

大賞(二編)
無題』倉田タカシ
第○次』becoわたなべ

みねぎし賞
親子』みねぎし

空虹賞
言われなくてもそうするさ』空虹桜

  ぼくが倉田タカシさんの『無題』とみねぎしの『親子』を朗読。楽志がbecoわたなべさんの『第○次』と空虹さんの『言われなくてもそうするさ』を朗読しました。賞品として倉田さんには『超短編SENGEN』(本間祐)、becoわたなべさんには『超短編の世界vol.1』、みねぎしには赤井都さん制作による超短編掛け軸。空虹さんには『超短編マッチ箱「朧」』の幻の特装版が、それぞれ送られました。
  受賞作以外の作品にも力作が多く、中にはその場で書かれた人もいました。どれもすごくクオリティが高くて驚きました。もっと賞を用意すれば良かった。

  そんなこんなでイベントは無事終了。みなさまどうもありがとうございました。今度は選者による選に加えて、参加者による互選もできるようなイベントができればいいなと考えております。機会がありましたらまたよろしくお願いいたします。
 
 当日の様子→ベコカフェ店長雑録


『無題』倉田タカシ

『無題』
      倉田タカシ

牛の顔をもつ牛が、生まれたという。
報せはかつてない速さで村を駆けめぐり、知らされた村長もかつてない速さで村道を駆けた。
「頭と体がおなじ種類……ありえんことだ……あってはならぬ……」
息を切らす村長のトサカがはげしく揺れる。
騒々しく鳴きながら後を追うのは魚の頭をもつ猫だ。
到着し、それを目にした村長のくちばしがポカンと開いた。
まちがいなく牛の体に牛の頭、だがその頭は石だったのだ。
「頭が無生物……新しい……」
大異変以前にもそんな生き物はいたはずがない。
「頭部と体で素材が異なるので、多様性が保証されているのでしょう」
助役の魚猫がそう述べ、鶏豚である村長は釈然としない表情で頷いた。
牛牛は草を主食にしたが、石の頭だけがどんどん育つ。
見上げるほどの大きさになって、樹木をどんどん
食い荒らすようになる。
「これは致命的なバグだ!」
村長の気付きは時おそく、
村の生態系はみるみる破壊されてゆくのだった…
以上が、私の会社を襲った悲劇を
わかりやすい喩え話で説明したものです。
そうしめくくる相手の頭部は木でできており、
私は釈然としない表情で頷いた。


(超短編マッチ箱 beco cafe 出張編・大賞受賞作品)

『第○次』beco わたなべ

『第○次』
       beco わたなべ


ブイヨンとポードアンとレイモンは東の国の王様にいわれて、南へゆっくりと旅をはじめた。王様の国を超えて、いまだ見たことのない大きな河を渡ってひと休みした。岩や砂しかないのに、その山は大きく寒そうだったので3人は山を左回りにまわって進むことにした。

山を過ぎると一頭の牛がやってきて、「ポードアンはこの土地の王様になりなさい」といったので、陽気な弟ポードアンは2人に別れをつげて、そこで王様になった。

北と南の真ん中にある大きな壁に囲まれた町の宿で、2人は休んだ。宿に一頭の牛を連れたボヘモンドとタンクレッドの2人が来て、牛が「老いたレイモンと北のボヘモンドのどちらかがこの町の王になる」といったので2人は争い、敗れたレイモンは恥ずかしくなって東へ逃げた。

東の国の王様にいわれた町では、牛にいわれて移り住んだ南の国の人たちが、町で生まれた農夫を困らせていた。そこで肩の広いブイヨンは農夫とともに南の国の人を追い出して、町の王様になった。
次の日、ブイヨンが病で死んだので、陽気な弟のポードアンがその国の王様になった。


(超短編マッチ箱 beco cafe 出張編・大賞受賞作品)

『言われなくてもそうするさ』(空虹桜)

『言われなくてもそうするさ』
              空虹桜


 思い出したくもないことを思い出して、溜め息を吐く。
「じゃ〜ん! モノトーンでまとめてみました」
「似合ってるよ。可愛い」
 いつもそう。溜め息の数は4回で、吸い込んだ幸せの分を調整してるのだと思う。
「クッパとかアギラが好きぃ」
「怪獣か!」
 思い出す度、フレーズとか仕草とか匂いとか、場面は断片化されて、細部はボヤけていく。
「もぉ!」
「牛じゃないんだから」
 忘れるんじゃなく、栄養として吸収する。愛した過去を否定しても仕方ないから。
 あと1回。思い出す。


(超短編マッチ箱 beco cafe 出張編・空虹賞受賞作品)

『親子』峯岸可弥

『親子』
            峯岸可弥


 全身が毛で覆われた赤子が産まれる。体重は20kg程である。母はその生まれた子供に牛乳だけを飲ませる。赤子は成長するに従って角が生える。排泄をしても紙などで拭いたりする事がないので肛門の周辺に蝿が集る。そうした時は親子ともども尻尾でその蝿を追い払う。

(超短編マッチ箱 beco cafe 出張編・みねぎし賞受賞作品)

2011年5月14日 (土)

本日はイベントなり

  本日はbeco cafe のイベント日です。この記事を書いている時点でまだ数名分空きがあるみたいなので、来れそうな人はご予約をお勧めいたします。小さなお店なので、飛び込みだと立ち見になってしまう可能性も……。イベント詳細はコチラ
  せっかくなのでこんな冊子を作ってみました。ご来場のみなさまにお配りします。超短編マッチ箱サイズです。また、会場では『片影三号』も販売されます。松本楽志の超短編のコラムとリキさんの星新一論は必読!
  それではbeco cafe でお会いしましょう。せっかくだから何か超短編(っぽいもので可)を書いてきてくださいね!

2011年3月28日 (月)

町田で海音寺ジョーさんと。

  『超短編の世界vol.3』ご参加の海音寺ジョーさんに、取り置きの本をお渡しするため、町田で会いました。イタリアントマトでコーヒーを飲んだ後は、高原書店、ブックオフ、ヴィレッジ・バンガードと町田の本屋さん巡り。二日で二冊もマルセル・シュオブの本が売れて、高原書店も首をひねっていることでしょう。

2011年3月 5日 (土)

『超短編の世界vol.3』出版記念パーティー

  高円寺のまんまみじんこ洞にて『超短編の世界vol.3』の出版記念パーティーが行なわれました。今回は内輪のお祝いということで、関係者21名が集まりました。その中で著者としては松本楽志、タカスギシンタロ、たなかなつみ、青砥十、水池亘、黒衣、空虹桜、はやみかつとし、みねぎし、山中しほ、佐多椋、白縫いさや、赤井都、おがわ、石津加保留、圓眞美、五十嵐彪太(敬称略)が集合。収録作家53名のうち、実に三分の一近くが集まるという、なかなかの作家集合率でした。この中で初めてお会いするのはおがわさんと石津加保留さんのお二方。お会いできて良かった!
  会場がちょっと落ち着いたあたりで、いつもながら自己紹介をしていただきました。結婚したり就職したり、みなさんの近況が聞けて何よりです。しかしよくよく考えたら、お互いに見知った方が多かったので、自己紹介は省略して、朗読かなんかのイベントをやった方が良かったのかなあとも思いました。これはまた別の機会に。
  あれこれしゃべっているうちに、みじんこ洞さんのおいしいお料理とデザートも食べ尽くし、楽しいパーティーは終了。楽しかったのは覚えているけど、正直なところ夜勤明けなのでもう眠くて眠くて記憶も途切れがち……。こうした集まりではたいがい朦朧とした姿しかさらしていないので、良くないなあ。
  そんなわけで超短編パーティー関西篇につづく。

2011年2月18日 (金)

あ、この店知ってる!

  2月18日の朝、NHKのあさイチという番組を、みなさんご覧になられたでしょうか。近頃人気のフリーペーパに取材した番組だったのですが、そこで紹介された高円寺のお店こそ、じつは今度『超短編の世界vol.3』出版記念パーティーが開催される場所、まんまみじんこ洞だったのです。
  本当はこのパーティーには幅広い超短編ファンのみなさまにご参加いただきたかったのですが、なにぶん著者が多い本ですので、まずは著者が集まって、内輪のお祝いをする予定です。そしてまた機会がありましたら、いろんな人たちと超短編の本をネタに一杯やりたいなあ、と考えております。ドゾよろしく。

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