2017年4月17日 (月)

【発表】回文超短編

■■回文超短編の選考結果を発表します。

■三田たたみ賞(イベント大賞) 『俺と彼女と回文』 といじま

■松本楽志賞 『そして夢現は回り続ける』 たなかなつみ

■千百十一賞 『さようなら私たち』 葉原あきよ

■タカスギシンタロ賞 『悪訳』 佐多椋

■たくさん点をあつめたで賞  『悪訳』 佐多椋

※そのほかの成績上位作品

『はじまり』 胡乱舎猫支店
『タナカノカナタ』 はやみかつとし
『こねこ』 国東
『5月を通過後』 空虹桜
『だいたいたいだ』 穂坂コウジ
『啓蟄の候』 松岡永子

■■評

■三田たたみ

『俺と彼女と回文』 といじま …… ラノベ的でかわいい。
『さようなら私たち』 葉原あきよ …… 回文がいい感じに盛り込まれてる。
『こねこ』 国東 …… ぬこさまかわゆす。
『5月を通過後』 空虹桜 …… 大人の恋愛っていい。
『紳士的やりとり』  海音寺ジョー …… 擬音語が楽しげ。
『うたう子らの祈り』 よもぎ …… 一人称が自然。
『だいたいたいだ』 穂坂コウジ …… 落語っぽいオチ。
『松岡永子』 啓蟄の候 …… 不思議な感じ。
『悪訳』 佐多椋 …… 回文が一番好み。
『はじまり』 胡乱舎猫支店 …… ホラーと回文のギャップが面白い。
『そして夢現は回り続ける』 たなかなつみ …… 詩的な感じ。
『タナカノカナタ』 はやみかつとし …… 回文とのギャップがシュール。

■松本楽志

『そして夢現は回り続ける』 たなかなつみ …… えくぼをぼくへ。ねだるたなかなつみ 綱かな? 樽だね。

■千百十一

『さようなら私たち』 葉原あきよ …… 入っている回文の最後のものが、無理がなくて詩としても美しい。作品の構造自体も、回文のように最初の出来事と最後のできごとがつながっていて、真ん中で軸になる飛躍もあり、綿密に考えられていると思います。この企画でこの回文ができ、この作品ができて良かったなあという気になりました。

『だいたいたいだ』 穂坂コウジ …… 最初の一行が枕、最後の会話がオチというミニ落語になっているんですね。このお話自体が極楽落語。とくに、最後の回文を回文そのままの形で出さずに、読者が「ああ、あの」と分かって脳内で言ってしまうように仕組んだのが、オチとして落語らしいのではないでしょうか。

『悪訳』 佐多椋 …… 力技のような回文。よくぞ、この文字列から意味を抽出して超短編にまで持って行ったものです。しかも、一読して不自然にならないように全体を不自然な文体で書くという逆転の発想ですが、主人公の抱える欠落感と舌足らずな言葉が合っていて、成功していると思います。

『はじまり』 胡乱舎猫支店 …… 「監視カメラ」の語をひっくり返しただけでこんな面白い回文に! いい言葉をみつけられたなあ、という、してやられた感があります。さてどう進化するのか、といった時に、カメラとしての機能から全く離れた進化をさせたのも、面白い発想でした。しかも、監視カメラのまるで人を狙っているような不気味さと、しっかり繋がっていて無理がありません。

『タナカノカナタ』 はやみかつとし …… 突き抜けたバカバカしさで楽しませていただきました。表題以外の回文の入れ方が無茶といえば無茶なのだけど、そこが目的地ではなくて彼方は空っぽというのは、回文をひねりすぎて何でも逆さまによむのがふっとアホらしくなる境地、でしょうか。「どのタナカだよ」という突っ込みに、「突っ込むところがそこですか」と突っ込みつつ、N.タナカが誰か分からなかったけれど、西荻には分かる人がたくさんいそうな気がします。

『うたう子らの祈り』 よもぎ …… 色彩の強い作品が並ぶなかに、ふんわりした色合いのつつましやかな佇まい、と感じました。

『啓蟄の候』 松岡永子 …… 夢の水位、浮御堂。おだやかなやりとり。何とも幸福感があって、季節外れの宝船にふさわしいと思いました。

■タカスギシンタロ

『悪訳』 佐多椋 …… 作中の回文「《主》、手に血の跡。レムの母、『母』の群れとあの地にて死ぬ。」が象徴的でしかも意味がよく分からない。その異様さをテキスト全体に拡張して、たどたどしく切断された世界をみごとに表現したと思います。

『さようなら私たち』 葉原あきよ …… 回文「十は鳴かず、私の遺体の下、わずかな羽音」がすばらしい。この回文をまずつくってから物語を展開したのかと思ったら、そうではないらしく、順を追って創作したとのこと。もはや回文師の域。

『はじまり』 胡乱舎猫支店 …… 静かな怖さをたたえた本文に、いきなり挿入された「監視カメラメカ進化」の回文が、世界の奇妙さをさらに増幅して怖さアップ。

『そして夢現は回り続ける』 たなかなつみ …… 「ダンスは済んだ」はずなのに、回文のウロボロス的円環が悪夢を回し続けている。回文の回転性をうまく物語に取り入れていると思いました。

『うたう子らの祈り』 よもぎ …… もしかすると「かあちゃん」はすでに亡くなっていて、ランタンは迎え火なのかな? 「小唄うたう子」がなんともいえない昭和感を醸し出しています。

2017年2月28日 (火)

【募集】「20周年!もうすぐオトナの超短編」

□□20周年!もうすぐオトナの超短編□□

  1998年、本間祐氏がAsahi-netで「超々短編広場」をスタートさせました。このコンテンツからは峯岸可弥、たなかなつみ、松本楽志、タカスギシンタロなど、さまざまな超短編の書き手が誕生しています。そして2018年。つまり来年は超短編誕生から20年を迎える節目の年ということになります。
  そこでフリーペーパー「コトリの宮殿」では超短編20周年を記念して、さまざまな選者選による超短編の募集企画を開催します。選ばれた優秀作品は「コトリの宮殿」に掲載されます。また、優秀作品をまとめた超短編集をうのけブックスより電子書籍として出版予定です。作品掲載者にはささやかながらお礼を差し上げます。
  募集要項詳細は以下の通りです。

【募集】「20周年!もうすぐオトナの超短編」

□□募集要項

□自由題部門……500文字以内の物語。タイトル内容自由。
□兼題部門………500文字以内の物語。内容は各選者出題による。
□しめ切り………年間予定を参考のこと。ゆるい募集なので作品数が少ない場合は延長します。
□投稿方法………kotorinokyuden01@mac.comまでメールにてお送りください。
           件名に選者の名前をお書きください。(例:峯岸可弥)
           本文にタイトル、自由題or兼題の選択、筆名、作品本文をお忘れなく。

□□年間予定(随時更新)

□タカスギシンタロ選(1)
しめ切り……2017年4月末日
自由題………タイトル・内容自由。
兼題…………三題噺「大人」「広場」「本」:お題の単語三つすべてを本文に入れ込んでください。タイトル自由。

□峯岸可弥選
しめ切り……2017年5月末日
自由題………タイトル・内容自由。
兼題…………テーマ超短編「暴力」:暴力をテーマとした超短編。タイトル自由。

□松本楽志選
しめ切り……2017年6月末日
自由題………タイトル・内容自由。
兼題…………未定

□たなかなつみ選
しめ切り……2017年秋
自由題………タイトル・内容自由。
兼題…………テーマ超短編「期間限定」:「期間限定」をテーマとした超短編をお送りください。タイトル自由。

□千百十一選
しめ切り……未定
自由題………タイトル・内容自由。
兼題…………未定

and more........おたのしみに!

2017年2月15日 (水)

【募集】回文超短編

超短編を募集します。

4月15日(土)開催のイベント「上から下からどうぞ! 回文と超短編」との連動企画です。お送りいただいた作品の中から優秀作品を選び発表します。

■募集要項■

□お題:回文超短編=七文字以上の回文を本文中に入れてください。オリジナルの回文を作るのが難しい場合は伝統的な回文を使用しても可とします。(例:たけやぶやけた)

□文字数:500文字以内(500文字を少々越えても問題ありません)。

□しめ切り:2017年3月26日(日)

□投稿方法:件名を「回文」としてメールでお送りください。タイトル、本文、作者名をお忘れなく。

□投稿用アドレス:kotorinokyuden01@mac.com(タカスギシンタロメール)

□優秀作品発表:4月15日(土)開催のイベント「上から下からどうぞ! 回文と超短編」および当ブログで発表いたします。選者は、三田たたみさん、松本楽志、千百十一、タカスギシンタロが務めます。

□賞:三田たたみ賞(大賞)、松本楽志賞、千百十一賞、タカスギシンタロ賞。大賞作品には三田たたみさんからご褒美があるかも……。

□お送りいただいたすべての作品はイベント当日配布される冊子に掲載されます。また希望者には冊子をお送りいたします。

□冊子の出来が良かった場合、体裁を整えて文学フリマ等で販売する可能性があります。その場合原稿料は出ませんが、完成冊子を一冊差し上げます。

□ご投稿メールには2、3日以内に返信させていただきます。返信がない場合はメールが届いていない可能性がありますので、お手数ですがもう一度お送りいただくか、このブログへのコメント、もしくはtwitter(@kotorigun)等でご連絡ください。

以上。
よろしくお願いします。

2016年11月14日 (月)

【結果発表】三題噺「キノコ」「楽器」「指ぬき」

11月12日に開催されたイベント「声に出して読まれたいうのけブックス」で、三題噺「キノコ」「楽器」「指ぬき」の結果が発表されました。大賞はふたつ!

■栗田ひづる賞(大賞) 「指ぬきのこと」(葉原あきよ) 「鳥の指ぬき」 (といじま)
■松本楽志賞 「作家」(よもぎ)
■タカスギシンタロ賞 「この夜でなければ」(国東)

大賞受賞作品「指ぬきのこと」と「鳥の指ぬき」はごほうびとして栗田ひづるさんに朗読していただきました。葉原さん、といじまさん、おめでとうございます。

その他の成績優秀作品は以下の通りです。

「彼女の小指」 高田九円
「月命日」 だんぞう
「人間はものとして扱うのがよい」 大休真紀子
「アドバイス」 水池亘
「薬指を楽器とする」 松岡永子
「陸の食事」 氷砂糖
「愛ある世界」 空虹桜
「ミドリ君」 櫛木千尋
「おとぎの国」 松岡永子
「光る旋律」 はやみかつとし
「ファンファーレ」 穂坂コウジ

たくさんのご投稿ありがとうございました。

2016年9月 6日 (火)

『罪と罰』(タカスギシンタロ)三題噺「キノコ」「楽器」「指ぬき」作例

     罪と罰   タカスギシンタロ

 雨蛙の野郎が犯した「罪」に関しては直接聞くが良いさ。酔っぱらいさえすれば、いくらでも話してくれるよ。ただしやつはザルだがね。俺が話してやれるのはやつの「罰」の方だ。そう、蝦蟇の女王に賜った特別の刑罰さ。

 真夜中のこと。やつはキノコの傘に縛りつけられていた。一雨のあとキノコはぐんぐん成長し、やつのからだを持ち上げていった。刑場に備えつけられたイガグリめがけてな。キノコはぐんぐん伸びていく。やつのからだは持ち上がる。ついにイガグリが突き刺さり、やつは悲鳴を上げた。それこそが蝦蟇の女王が聞きたかった最高の楽器の音色だったというわけさ。
 しばらくして、やつは死体置き場でむくりと起き上がった。そして口からゲッと指ぬきを吐き出したのさ。指ぬきのおかげで栗のイガもやつの体を貫くことはできなかったんだ。もっとも胃には少々穴が開いたがね。

 ほら、やつが来たよ。ほんとに一杯おごる気かい? じゃあ俺たちはやつの腹の下で口を開けて待ってるよ。何しろやつはザルだからな。

2016年8月30日 (火)

【超短編募集】三題噺「キノコ」「楽器」「指ぬき」

超短編を募集します。

11月12日(土)開催のイベント「声に出して読まれたいうのけブックス」との連動企画です。
栗田ひづる賞受賞作品は朗読のご褒美つきです。ご投稿お待ちしております。

■募集要項■

□お題:三題噺「キノコ」「楽器」「指ぬき」

□文字数:500文字以内(500文字を少々越えても問題ありません)。

□本文中に「キノコ」「楽器」「指ぬき」の文字列を用いてください。各文字列を複数回使用してもかまいません。「キノコ」は「きのこ」「茸」でも可。→作例「罪と罰」(タカスギシンタロ)

□しめ切り:2016年9月25日(日)

□投稿方法:件名を「キノコ」としてメールでお送りください。タイトル、本文、作者名をお忘れなく。

□投稿用アドレス:kotorinokyuden01@mac.com(タカスギシンタロメール)

□優秀作品発表:11月12日(土)開催のイベント「声に出して読まれたいうのけブックス」および当ブログで発表いたします。

□賞:栗田ひづる賞(大賞)、松本楽志賞、タカスギシンタロ賞。大賞作品はイベント当日朗読のご褒美があります。

□お送りいただいたすべての作品はイベント当日配布される冊子に掲載されます。また希望者には冊子をお送りいたします。

□冊子の出来が良かった場合、体裁を整えて文学フリマ等で配布する可能性があります。その場合原稿料は出ませんが、完成冊子を一冊差し上げます。

□ご投稿メールには2、3日以内に返信させていただきます。返信がない場合はメールが届いていない可能性がありますので、お手数ですがもう一度お送りいただくか、このブログへのコメント、もしくはtwitter(@kotorigun)等でご連絡ください。

以上。
よろしくお願いします。

2016年4月18日 (月)

【発表】「絶滅動物」の選考結果

4月16日開催の超短編イベントで「絶滅動物」の選考結果が発表されましたので、お知らせいたします。

■大賞
 「ニホンオオカミ殺人事件の容疑者が小学校三年生の時に宿題で書いた日記」(櫛木千尋)(川端◎小野塚△高杉△)

(「りす・りす」(国東)も同点でしたが、川端裕人さんの票が入っていて、かつ会場にいらっしゃった櫛木さんを大賞受賞者とさせていただきました。

■川端裕人賞
 「ニホンオオカミ殺人事件の容疑者が小学校三年生の時に宿題で書いた日記」(櫛木千尋)

■小野塚力賞
 「飛ぶことならできる」(たなかなつみ)

■松本楽志賞
 「りす・りす」(国東)

■タカスギシンタロ賞
 「ローリング・サンダー」(穂坂コウジ)

そのほかの成績優秀作品

「彼のニホンオオカミ」  (葉原あきよ)
「ドードーの駅」  (遠里小里(オリコリ))
「幻の淡水魚」  (海音寺ジョー)
「井戸」  (森野 照葉)
「理想的」  (タキガワ)
「ドードーと私」  (葉原あきよ)
「カモノハシ少女」  (紙男)
「その前夜」  (笛地静恵)
「火影」 (屋樹ひつじ)
「水辺にて」  (胡乱舍猫支店)
「不死鳥」  (猫春雨)

たくさんのご投稿ありがとうございました。

2015年9月28日 (月)

【作品募集】短歌の超短編

 超短編を募集します。今回は「山羊の木」の石川美南さん、橋目侑季をゲストにお迎えする11月14日(土)開催のイベント「短歌・活版・パンドラの箱」との連動企画です。
 優秀作品はイベントで発表され、最優秀賞にはあっとおどろく豪華賞品が用意されています。募集要項は以下の通り。(イベント詳細は後日このブログでお知らせいたします)


□□募集要項□□

□お題:短歌の超短編

以下の短歌5首(石川美南『物語集』より)から1首選び、超短編を作って下さい。「話」の中身、前日譚、後日譚など、自由にイメージを広げていただいて結構です。

---------------------------------------------------------

美術館館長Tが遺したる小さな鍵についての話

月明かりにかざした文字が〈倫敦〉であつたと、旅の男の話

乱闘が始まるまでの二時間に七百ページ費やす話

午前二時のロビーに集ふ六人の五人に影が無かつた話

騙ス気ハナカツタノダと叫びつつ谷底へ落つる男の話

---------------------------------------------------------

□文字数:500文字以内(500文字を少々越えても問題ありません)。

□締切:2015年10月18日(日)

□投稿方法:件名を「短歌の超短編」としてメールでお送りください。タイトル、本文、作者名、選んだ短歌をお忘れなく。

□投稿用アドレス:kotorinokyuden01@mac.com(タカスギシンタロメール)

□優秀作品発表:11月14日(土)イベント「短歌・活版・パンドラの箱」および当ブログで発表いたします。

□賞:山羊の木賞(大賞)、タカスギシンタロ賞、松本楽志賞、小野塚力賞

□大賞賞品:
・『物語集』(増補改訂版)
・『物語集』の「53首目」:受賞者に出していただいた題を詠み込んで、石川美南が「〜話」で終わる短歌を作成。『物語集』のカードと同じ形式で印刷してお渡しします。
・受賞者のお名前の活字:「53首目」のカードには、受賞者のお名前を印字。その際に使用した活字を、そのまま差し上げます。
・そのほか、各選者賞にも素敵な賞品があるかも……。


※ご投稿いただいた方には高杉から2、3日以内に返信を差し上げます。返信がない場合はメールが届いていない可能性がありますので、再送するかtwitter(@kotorigun)等でご指摘ください。
※お送りいただいた作品はイベント当日に配られる冊子に掲載させていただきます。
※冊子の出来が良かった場合、再編集の後、文学フリマで頒布します。その場合は作者に冊子を一冊進呈いたします。

2015年9月 5日 (土)

【募集】超短編「怪の旅」

 超短編を募集します。今回は辰巳大二郎さん(宝生流シテ方能楽師)をゲストにお迎えする10月31日(土)開催のイベント「能と超短編」との連動企画です。優秀作品はイベントで発表され、もしかすると辰巳大二郎さんに能の謡い風に朗読していただけるかもしれません。募集要項は以下の通り。


■■募集要項■■

・兼題:怪の旅

 現実と能を繋ぐ言葉として「かい」とも「あやしい」とも「もののけ」とも「け」とも「しるまし」とも読み取れるさまざまな「怪」の物語を募集いたします。たとえば世阿弥は「旅の僧が旅先で出会った人物が実は怪だった」というスタイルで多くの謡曲を書いています。幽玄の世界を逍遙する「怪の旅」を500文字以内の超短編で表現してください。

・文字数:500文字以内(500文字を少々越えても問題ありません)。

・締切:2015年9月27日(日)

・投稿方法:件名を「怪の旅」としてメールでお送りください。タイトル、本文、作者名をお忘れなく。

・投稿用アドレス:kotorinokyuden01@mac.com(タカスギシンタロメール)

・優秀作品発表:10月31日(土)イベント「能と超短編」および当ブログで発表いたします。

・各賞:(辰巳大二郎賞、タカスギシンタロ賞、松本楽志賞、小野塚力賞)

・賞品:各選者セレクトによる素敵な賞品(があるかも……)。


※ご投稿いただいた方には高杉から2、3日以内に返信を差し上げます。返信がない場合はメールが届いていない可能性がありますので、再送するかtwitter(@kotorigun)等でご指摘ください。
※お送りいただいた作品はイベント当日に配られる冊子に掲載させていただきます。
※冊子の出来が良かった場合、再編集の後、文学フリマで頒布する可能性があります。その場合は作者に冊子を一冊進呈いたします。

2014年11月18日 (火)

【結果発表】ケーキの超短編

ケーキの超短編の選考結果を発表します。

まずは各ケーキの優秀作品から。

○○優秀作品○○

1.ショコラピスターシュ

1


『ワルツ』(葉原あきよ)……チョコレートを黒いドレスに見立てた作品。ちらりとのぞくピスタチオのペチコートがこのケーキのアダルトで官能的なイメージをうまくつかんでいます。


2.レアチーズケーキ

2

『天使β』(鏡馬)…… レアチーズケーキの白い聖性を天使的な世界に結びつけた作品。優しさと甘い死の予感に包まれていてうつくしい。

『月を食べる』 ぽっこり雛豆 ……レアチーズケーキを名月になぞらえ、しかも食べてしまうというスケールの大きさがすばらしい。現代と神話世界が違和感なくつながっていて見事。


3.フランボワーズ

3

『でたらめなロマンチスト』(空虹桜)…… これはフランボワーズをイメージした作品というよりも空虹作品をケーキ化したものがフランボワーズといった体。ずるいがあまずっぱい。


4.ミックスベリー&ラクテ

4

『ひとつの恋のおはなし』(藤森伏見)…… 何度も現れる赤いケーキのイメージが、かわいらしさと悲しい別れを小さく照らし出しています。悲しいハッピーエンドもあるんですね。


5.いちごのタルト

5

『ゲリラ豪雨の客』(笛地静恵)……ケーキを食べるビーバーのイメージがシュールかつかわいすぎる作品。ナルニア国が町田方面にあるとは!


6.いちじくのタルト

6

『定点観測』(はやみかつとし)……半分に切られたケーキの断面は双子のように対称的。主と客が分かたれるぎりぎりのところを描きつつも、ケーキらしい「真珠雲」というきれいなイメージが物語をやわらかくおいしくしています。


7.フルールグラン

7

『バタークリームの姫君』(五十嵐彪太)……フルールグランのファンタジー性をみごとに描いた作品。読んだらバタークリームのバラをそのまま口に入れたくなること間違いなし。

『カッティング・エッジ』(金剛千花)……投稿にはバタークリーム・ケーキのノスタルジアに注目した作品が多かったのですが、本作が一番成功しているように思えました。スケートリンクのパラの花のイメージがなんとも美しく、泣けます。

以上。
募集要項にもありましたとおり、優秀作品はフリーペーパー「コトリの宮殿」に掲載される予定です。


○○最優秀作品○○

各ケーキの優秀作品の中から選ばれた最優秀作品は……


『カッティング・エッジ』(金剛千花)

です。おめでとうございます。
『定点観測』(はやみかつとし)とも迷ったのですが、はやみかつとし氏は先日の「アイリッシュパブのほら話」でも鈴木暁世賞を受賞しており、そんなに良いことばかり重なって罰が当たってはいけないとの配慮から迷わず金剛千花さんの作品が大賞となりました。

なお、最優秀作品受賞者にはケーキを、優秀賞受賞の皆さんには郵送可能な焼き菓子をお送りする予定です。


○○そのほか気になった作品○○

1.ショコラピスターシュ

『マカロンさんは添え物です。』(水池亘)……ケーキの上に乗ったマカロンに焦点を当てた点がおもしろかったのですが、単体でもかなりの人気を誇っているマカロンをあくまで添え物としてあつかっている点にやや現実との乖離を感じてしまいました。

『闇色のマント』(松岡永子)……チョコレートの中に甘美な闇を感じさせる作品。優秀賞にしようか迷いました。

『時計の針は逆向きに回る』(たなかなつみ)……おお、たしかにちょっと時計っぼい。意外な視点が面白い作品です。

2.レアチーズケーキ

『約束の場所』(胡乱舎猫支店)……ケーキに込められたメッセージのイメージがきれいです。そもそもおいしいものには何か人の記憶をくすぐるところがありますよね。

5.いちごのタルト

『魅惑の山』(誠)……いちごのタルトを山に見立てた雄大さがすばらしい。しかも山とイチゴのイメージが分かちがたく融合していて、食らいついちゃうところがすごいです。

6.いちじくのタルト

『いちじくの空』(南風野さきは)……いちじくを禁断の果実としてとらえることで醸し出されるかすかなエロスが良いです。

『華が無かった彼女だけれど』(氷砂糖)……いちじくの「無花果」としての側面を捕らえた視点が面白い。表面的には地味でも内面的には充実しているという点はまさにいちじく的。

7.フルールグラン

『ケーキクラゲとエスカレーター』(柴田友美)……なんと「コトリの宮殿」で連載中の「群青コースター」のスピンオフ作品ではありませんか! これは別枠でコトリの宮殿に掲載させていただきたい。

『L. I. B. 』(穂坂コウジ)……タイトルはローリング・ストーンズの、ケーキのジャケットで有名な「Let It Bleed」から。個人的に幼児の頃から聴きまくっていたアルバムなので、ぐっときて優秀作品にしようか迷いました。ケーキの悪魔的な魅力を暴き出してグッド。

『平日の朝』(海音寺ジョー)……翻訳文学を読むような手ざわり。カール・サンドバーグに関しては何も知りませんでしたすみません。

『赦し』(佐多椋)……雪の「ようなもの」がまとう揺らぎが、一瞬存在するはかなさを描く繊細な作品。フルールグランへの投稿作は一番多かったのですが、どれも良い作品で選考に困りました。


以上です。
たくさんのご投稿ありがとうございました。

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