うのけブックスの本

うのけブックスの本

超短編としてのダンセイニ『五十一話集』』(小野塚力/Kindle版)
夢見る人形の王国』(たなかなつみ/Kindle版)
群青コースター』(柴田友美/Kindle版)
幻色キノコ図鑑』(松本楽志・タカスギシンタロ/Kindle版)
不思議の国のアリスを超短編として読む』(小野塚力/Kindle版)
ピアノ』(タカスギシンタロ/Kindle版)
Piano』(Shintaro Takasugi/amazon.co.jp)

2017年12月 5日 (火)

「超短編としてのダンセイニ『五十一話集』」(小野塚力)

超短編としてのダンセイニ『五十一話集』」(小野塚力/Kindle版)

 フリーペーパー『コトリの宮殿』掲載作をまとめた小野塚力の文学評論集。表題作「超短編としてのダンセイニ『五十一話集』」では『一千一秒物語』との対比を試み、「稲垣足穂『一千一秒物語』を超短編として読む」においては超短編的「軽さ」を検証。また「河野典生『ペインティング・ナイフの群像』を超短編として読む」では連作超短編の幻想性を論じる。書きおろし「梨木香歩『家守綺譚』を超短編として読む」「石川美南『物語集』を超短編として読む」を合わせて収録。著者の評論集第二弾。

目次

超短編としての『五十一話集』
稲垣足穂『一千一秒物語』を超短編として読む
河野典生『ペインティング・ナイフの群像』を超短編として読む
梨木香歩『家守綺譚』を超短編として読む
石川美南『物語集』を超短編として読む

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2017年9月24日 (日)

『夢見る人形の王国』(たなかなつみ)

夢見る人形の王国』(たなかなつみ/Kindle版)

 がらんどうの腹のなかにはがらくたをいっぱい詰め込むのだ。(『夢見る人形の王国』より)

 フリーペーパー『コトリの宮殿』の連載「いつかどこかのものがたり」の作品に未発表作を加えた、全65編の超短編集。壊されても壊されても人形を作り続ける表題作のほか、崩壊を目的に造られた奇怪な橋の物語『落ちるための橋』、地の底に沈みゆく男と獣の壮絶な死闘『狩り』、七千本の矢にからだを貫かれた女を描いた『七千の彼女の物語』など、超短編作家たなかなつみのつくる小さな世界を集めた初作品集です。

目次

お祖父さんの昔話
箱のいる風景
記憶のスープ
甘い甘い果実の王国
落ちるための橋
穴売り
あの音
あれは扉である

美しい街
いつもと同じ日々
お誕生日
ひとりぼっちのディングディングドン
顔のない者
名前ありき
逃亡者
風の舞い
氷猫

夢見る人形の王国
そこは夢の国
足跡は遠く遠くまで続いている
穴のハンラン
春の鼻を咲かせましょう
あなたとわたしの秘密
幸せな暮らし
孤独な走者の幸せなリレー
過去の堆積は未来へ託される
ごみになる
淀まない水
今日も凍てつく水の中を
夜釣り
一本糸の国
お喋りな街
サミシイ夜の生き物
ヒト型
汗っかきな夫
飴細工の最期
幸せをうる仕事
最後の仕事
蛍光灯
視線
万華鏡幻夢
幕間狂言

狩り
穴を掘る
砂人形
虫から魔法を授かった男の話
時を刻む時計
遊び
病院に行きたい病
溺レル夜
酩酊
姉さんの紅

七千の彼女の物語
曖昧村
音の響く街
冬の花園
炎花
手の先
恋ワズライ

十字路
うちの婆
上演

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2017年3月 7日 (火)

坂上誠

Photo 坂上 誠( Makoto Sakagami )

deeDesign( ディー・デザイン )代表

音響とデザインの専門学校卒。総合印刷会社、総合広告代理店、アパレルの会社を経て、deeDesign を設立。

数々の有名アパレルブランドのプリント、刺繍等の図案の企画・制作を中心に、紙媒体等ジャンルを問わず、幅広くデザインやイラストを手掛ける。
アーティスト名 - g げんせい - としての活動も行なう。

※ラインスタンプ販売中。
超カラテマン G

うのけブックスの本:
ピアノ』(Kindle版)表紙デザイン
群青コースター』(Kindle版)表紙デザイン
夢見る人形の王国』(Kindle版)表紙デザイン

2016年10月18日 (火)

『群青コースター』(柴田友美)

群青コースター』(柴田友美/Kindle版)

「胸につけていたブローチが突然取れて、何故か空に飛んでいった。追いかけようとすると、空から砂糖のかたまりが降ってきて、私は二つに分裂した」
 ケーキクラゲ、紙コップの展覧会、ドーナツピストル……。不思議なモノゴトがうずまく街で、主人公「群青」は、はたして分裂した自分を取り戻せるのか? フリーペーパー『コトリの宮殿』に十五回にわたって連載された物語を一冊にまとめた本書は『チョコレートタンタン』につづく著者の詩小説第二弾である。番外編として『ケーキクラゲとエスカレーター』収録。

もくじ

第一話……胸につけていたブローチが突然取れて、何故か空に飛んでいった。
第二話……ブドウと私は、受け取った花束を解体し、一本一本お客さんに刺していった。
第三話……レモンを送り出してしばらくしてから、街にはケーキクラゲがたくさん出るようになった。
第四話……電柱の上にはウドンが座っていて、どこかを見つめていた。
第五話……「あなた最近、半分になる経験をしましたね」と紳士は言った。
第六話……私はイチゴに会うために、やたらと花屋に行くようになった。
第七話……ブドウと私は、思わず顔を見合わせた。
第八話……私の足は自然と隣町のドーナツ屋に向かっていた。
第九話……ドーナツピストルって何ですか
第十話……レモンはどうやら天井画が有名なある公共施設にいるらしいということになり、ブドウとイチゴとともにそこに向かった。
第十一話……ユリの花がたくさん咲いている場所で、お待ちしています。
第十二話……階段を降りて行くと、そこに以前に隣町のレストランで会った紳士がいた。
第十三話……僕はどうやら、このデパートで働く事になりそう。
第十四話……私はイチゴの方に駆けていった。
第十五話……私たちは、それからもと来た道をたどって、外に出た。

番外編 ケーキクラゲとエスカレーター

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柴田友美

Image_2 柴田友美(しばたともみ)

作家。著書に『チョコレートタンタン』(新風舎)などがある。

著者よりひとこと
大阪に住んでいます。時々お話を書いています。
最近の趣味は、手芸と中国語カラオケです(大したうではないですが)。

うのけブックスの本:

群青コースター』(Kindle版)

タカスギシンタロ超短編集『ピアノ』を巡って(小野塚力)

タカスギシンタロ超短編集『ピアノ』を巡って

小野塚力

 私が超短編というムーブメントに深入りしたのは、ひとえに、タカスギシンタロの超短編が好きだからだ。それに尽きる。先日、電子書籍で発売された、タカスギシンタロ超短編集「ピアノ」は、待望の一冊である。
 タカスギシンタロの超短編の特徴は、端正さと意外性の組み合わせの絶妙さにある。さらに、しれっとしたブラックユーモアも混ざるので、油断ならない世界である。
 その短さにかかわらず、タカスギシンタロが超短編ひとつを仕上げるのに、並々ならぬ時間をかけているのは、読めばわかることだ。物語ひとつ仕上げるのは長さにかかわらず、大変であるということだ。
 タカスギシンタロが、江戸雑俳にあかるいことは知られている。タカスギシンタロ作品に顕著な洒落た感覚は、このあたりの消息を伝えている。
 集中、私がもっとも好きな超短編は、「サファイア」である。瞬間の永遠化をまさに体現しているからだ。
 ひとつ思うのは、この超短編集がでた意味は区切りであるとともに、次世代の超短編の書き手をつくる誘い水になるということだ。
 次なる超短編がいかなるものか。個人的な願望でしかないが、もっともっと虚構であることを満喫させるものであってほしい。カミ「ルーホックオルメスの冒険」のような。

ピアノ』(タカスギシンタロ/うのけブックス)(Kindle版)

『幻色キノコ図鑑』(松本楽志・タカスギシンタロ)

幻色キノコ図鑑』(松本楽志・タカスギシンタロ/Kindle版)

 松本楽志とタカスギシンタロの競作集。交互に繰り出される超短編ものがたりの応酬が、不思議な世界へと読者を誘う。表題作のほか『よこぐすり』『空想くらげ図鑑』『蜘蛛の楽器店』『幻選かさカタログ』『カエルの超短編集』『もぐらの超短編』を収録した本書は、文学フリマでしか読めなかった松本楽志+タカスギシンタロ作品集の第一弾である。

収録作品

■よこぐすり
     世界の果ての墓   松本楽志
     ケータイ墓場   タカスギシンタロ
     へしあい   松本楽志
     丸太問答   タカスギシンタロ
     権田ファミリーログハウス村   松本楽志
     ヒマワリ祭り   タカスギシンタロ
     昔、太陽が海に落っこちた   松本楽志
     エコまっしぐら   タカスギシンタロ
     猫忌   松本楽志
     北極星を見つけるために   タカスギシンタロ
     瞬きもせず   松本楽志
     バーバー白熊   タカスギシンタロ

■幻色キノコ図鑑
     きのこの道   タカスギシンタロ
     どっぺる   松本楽志
     ヒトコトダケ   タカスギシンタロ
     きのこのある風景   松本楽志
     軍隊きのこ   タカスギシンタロ
     ミギテダマシ   松本楽志
     白髪キャンプ場    タカスギシンタロ
     Eisen   松本楽志
     赤字路線   タカスギシンタロ
     天狗に侵略され続けている王国のこと  松本楽志
     原木栽培   タカスギシンタロ
     あるいていく   松本楽志

■空想くらげ図鑑
     海の図書館   タカスギシンタロ
     クラゲの道   松本楽志
     やりがいのある仕事     タカスギシンタロ
     門   松本楽志
     ジョンの災難   タカスギシンタロ
     句らげ   松本楽志
     くらげ仙人   タカスギシンタロ
     歌は誰かに必ず届く   松本楽志
     クラゲ祭り   タカスギシンタロ
     空気クラゲ   松本楽志
     クラゲとビール   タカスギシンタロ
     クラゲ作図法   松本楽志

■蜘蛛の楽器店
     アコーディオン   タカスギシンタロ
     がっきがたり   松本楽志
     五線譜   タカスギシンタロ
     楽器の帝国   松本楽志
     トライアングル   タカスギシンタロ
     笙   松本楽志
     テルミン   タカスギシンタロ
     オルゴール・オルゴール   松本楽志
     トランペット   タカスギシンタロ
     調律   松本楽志
     バグパイプ   タカスギシンタロ

■幻選かさカタログ
     雨は上から下へ降る   タカスギシンタロ
     さかさ地蔵   松本楽志
     ボルト・ナット・ブッダ   タカスギシンタロ
     明日傘   松本楽志
     すべからくを正しく使う女の最期   タカスギシンタロ
     傘がある   松本楽志
     赤い矢印   タカスギシンタロ
     色男のブレーヌ   松本楽志
     こころの傘   タカスギシンタロ
     江戸しぐさ【かさかしげ】   松本楽志
     授賞式の余興   タカスギシンタロ
     ゆっくりあいにいきます   松本楽志
      未完の傘   タカスギシンタロ

■カエルの超短編集
     折りたたみ   タカスギシンタロ
     泡のような人生   松本楽志
     カワズ・ボール   タカスギシンタロ
     かえる膜  松本楽志
     跳石   タカスギシンタロ
     カエル航法   松本楽志
     足生温泉   タカスギシンタロ
     言雨   松本楽志
     啓蟄   タカスギシンタロ
     集合体   松本楽志
     あやとり   タカスギシンタロ
     すすむ   松本楽志

■もぐらの超短編
     創世神話   タカスギシンタロ
     世界の終わり  松本楽志
     モグラワイン   タカスギシンタロ
     コルクの密度  松本楽志
     モグラの空   タカスギシンタロ
     底まで   松本楽志
     目撃者   タカスギシンタロ
     容疑者  松本楽志
     もぐらの惑星   タカスギシンタロ
     ブラックホール    松本楽志
     ツチモグラ愛好家   タカスギシンタロ
     モグラバトの家 松本楽志

Kinoko

小野塚力

小野塚力(おのづか・りき)

国文学研究者。専門は芥川龍之介。超短編とのかかわりは、2013年頃に、ダンセイニと稲垣足穂の対比論を書くために、超短編マッチ箱の活動に接近。以来、超短編ムーブメントに協力という形で参画。現在は、作家、川端裕人氏のはじめた絶滅動物部ドードー班の活動に共鳴し、江戸時代に長崎にきていたドードー鳥の記事を、江戸文献にもとめる日々。

日本古典SF研究会会員、日本キリスト教文学会会員
アイルランド文学研究会事務局
ダンセイニ研究誌「PEGANALOST」評論担当
同人誌「FANTAST」(高山直之氏主宰)同人

編著:
蜂須賀正氏「世界の涯」(武江我刊我書房刊)
山田一夫「初稿夢を孕む女」(盛林堂ミステリアス文庫刊)など

うのけブックスの本:

不思議の国のアリスを超短編として読む』(Kindle版)

『不思議の国のアリスを超短編として読む』(小野塚力)

不思議の国のアリスを超短編として読む』(小野塚力/Kindle版)

 ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』にはドードー鳥が登場する。そのことはテニエルの挿し絵のインパクトとも相まって、記憶にとどめている方も多いだろう。しかしなぜドードー鳥でなければならなかったのか。また、どうしてキャロルは自らとドードーを重ね合わせたのか。そして、なにゆえドードーはアリスに指貫をプレゼントしたのか……。近年、蜂須賀正氏の『世界の涯』を復刊させた小野塚力が、その博覧強記ぶりを発揮して、物語とドードーのおどろくべき関係を明らかにする。第一回日本SF評論賞最終候補作『黄金律の探索者——星新一試論』併録。

目次

◆『不思議の国のアリス』を超短編として読む
 アリス的症候群 ―――― 高泉淳子試論
 失われた博物誌 ――― ドードー鳥をめぐって
  一.「不思議の国」のドードー
  二.「アフター0」におけるドードー
  三.藤子F不二雄の楽観主義 「モアよ、ドードーよ、永遠に」
  四.超短編としての「不思議の国のアリス」

◆黄金律の探索者 星新一試論
 はじめに
 初期作品集の世界
 中期作品世界
 後期作品世界
 おわりに

Riki05

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